肝の佃煮と熱燗の黄金コンビを楽しむ昼下がり。鰻屋「両國」へ
相撲観戦前に両国駅から徒歩数分の鰻屋「両國」へ連れて行ってもらった。
カウンターと小上がりのテーブル席が2つ。こじんまりとした下町感溢れる店内はとても居心地が良い。
まずはビールで乾杯だ。つまみは肝の佃煮ともずくしかないそうで、迷わずどちらもオーダー。目の前で焼いているかば焼きの匂いをかぎならが、最初にやってきた肝の佃煮をつつくと、想像通りというか、日本酒を欲しくなる味だった。そして、ビールのグラスが空くと迷わず熱燗にチェンジし、酒飲みならだれもが認めるだろう黄金コンビを堪能した。
お酒を楽しんだ後、やってきたうな重。パカっとあけてキラキラの鰻とごはんをほおばった瞬間に思った。
「やさしい味がする……」
あぶらののった鰻がふっっっわふわなのも「やさしい味」の一因に違いないのだろうけど、そういう言葉で表現できるものを超越している何かが宿っているようなうな重だった。
たしかにさ、たまーにさ、ものすごくお腹が減っているときに炊きたてのごはんを食べて泣きそうになる、なんてことが、なくはない。それの類かと思い「やさしい味」の正体を見つけるべく続けて箸を進める。
「うぅ、さっきよりやさしい味がする……ふわふわだし」
なんだかもう、食べれば食べるほど、胸がいっぱいになってきてた。それくらい美味しい。
思わず、鰻を焼く係のオヤジさんを見つめてみた。意外にポーカーフェイス。笑みや愛想を浮かべるわけでもなく、かといって、職人気質のガンコオヤジ的なまなざし、とかでもなく、なんか近所のコンビニで買い物してるオヤジさんのような……(注:焼いてる最中は違うかもしれません)。
それだけ、鰻を扱うことが、日常のことになっているんだろう。職人技はもとい、ひょっとしたら、そんなリラックスした彼の心持ちも、ほっとする美味しさの欠かせない要素なのかも。
例えば、落ち込んでいるときに行ったら、すごく元気にしてくれそうな鰻だなーと思った。
最後まで、ひたすら美味しい美味しいと思って完食。誰にも見られないところでひとりで食べてたらあまりの美味しさにちょぴり泣いてたかも。
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【両國】
ハートランドとエビカレー。神保町のカレー屋「エチオピア」に辿りつくまで
おいしいお昼ごはんが食べたい。
そう思って、神保町をひたすら歩いていた。
ただただ、おいしいごはんが食べたい。
ただそれだけのシンプルな願いなのに、慣れない街のためか、出くわすのはチェーン店かラーメン屋ばっかり。納得のいく店がみつからない。
しかも、夜は焼肉に行く予定だったから、肉が選択肢から外れるわ、GW中でシャッターを下ろしている店もあるわでさらに店探しのハードルは上がっていた。
本屋とラーメン屋と、シャッターと、バカでかい都会の道路をながめながらひたすら歩いた。
それなのに、どうにもこうにも、よい店がみつからず時間も時間だし……と、私たちは、とうとう自分たちの信念をまげて、チェーン店らしき蕎麦屋の扉を開いた。が、その瞬間、2人の足は固まる。無機質な券売機。窮屈そうな座席。小綺麗だけど個性のない店内。心地のよくない、ファーストフード店のようなガヤガヤ感。
「オレたちの求めている場所ではない」
声にしなくても彼氏がそう思っているのがわかった。私も同じだった。
席につくことなく、店を後にして、また歩く。
しばらくして、ふと、お昼ごはんを探す前の時間に、「定食」という看板を見かけたのを思い出す。力を振り絞って私の危うい記憶のなかの「定食の看板」を目指すことに。途中、何度か道を間違えながら、おぼろげな記憶の地にたどり着いた。
が、定食の看板は見つからず……。時刻はすでに、3時に近いから閉まってしまったのかも。でも、なんとなく、チェーン店でもラーメン屋でも肉料理でもないお店がチラホラ。そんななか、彼が一言。
「このカレー屋、なんでこんなに混んでるんだろ」
この一言がきっかけで、こじんまりとしているけど窮屈さを感じさせないこのカレー屋の2Fの窓際に腰掛けて「エビカレー」を待つことになった。
先に酒とつまみに手をつけてからあとでごはんを食べるオジサンスタイルがデフォルトの彼と一緒に、私もサラダをつつきながら、ハートランドを飲む。
「カレー、気持ち遅めてでお願いできる?」と店員さんにお願いする彼氏。笑顔で「気持ち遅めですね」と言ってくれるおねえさんの優しさにふれながらビールののどごしを満喫した。
店の名前は「エチオピア」。
店内では女性がコーヒーを注いでいるモノクロのポスターがエチオピア感を高めていた。コンパクトなテーブルと、椅子。いると落ち着く、昭和っぽい店内だ。
エビカレーがやってきた。普通、シーフードカレーとかそういう類のカレーって、お決まりのようにシーフードの量はもうしわけ程度なのだけど、この店のは違う。
「食べれば食べるほどエビが増えているような気がする」
なんて彼氏が言っていたが、それほど、かみごたえのあるエビがゴロゴロ。そして、スパイスと玉ねぎの旨味が凝縮されたさらさらのルーと硬めだけどモチリとしたごはん。どちらもつやつやしている。
窓から見えるのは、エチオピアの看板に、街路樹の緑、床屋の青と赤と白の壁。景色までが店と一体化しているような気がした。
濃紺で縁取られたお皿もかわいくて、この店いいな、とますます好きになる。
皿について彼氏に話しかけようしたちょうどそのとき、わたしよりひと足早く、スプーンが進んでいる彼氏の皿を見ると、カレーの中から「エチオピア」の文字が現れた。げー、かわいい。カレーめちゃくちゃ美味しいんだけど、美味しいだけじゃなくて、こんなふうにささやかなかわいらしさがある店なんだな。
途中、信念を曲げてしまったけど、それでもあきらめずに歩き続けてよかった。そう思わせてくれる店だった。
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鎌倉で昼飲みできるうどん屋。銘酒がズラリそろう「鎌倉みよし」
おいしい日本酒を片手に美味しいものを食べたい。
そんな願望を抱いた土曜日。
習い事を終えてともだちと鎌倉のうどんやさんへ向かった。呑んべいのためのうどんやさんとも言える店が、鎌倉の小町通りにある。
カウンター席だけの小さな店だ。この日は、ラッキーなことにお庭がみえる端っこの席、酒飲みの女ともだちと腰掛ける。
「最近さー、丼屋さんとか言っても、つまみ頼んでお酒飲んで、しめにごはん食べるんだよねー。おじさんぽいよね」と友人。
わかるわかるとうなずくわたし。そしてそんな二人がそろうこの日ももちろん、おじさんスタイル。
まずは、ビールを、彼女は日本酒を。
そして、のんべいにたまらないラインナップの肴の中からいくつかオーダー。この店は、ただうどんが美味しいだけではなく、日本酒とお酒のつまみが豊富でリーズナブルなのだ。とりあえず、焼き味噌と釜揚げしらすを頼む。
飲みモノがやってきて、ビールと日本酒で乾杯。一応、なんとか社会人をやっている身分。まだ17時過ぎから飲むお酒の美味しさといったらない。
続いて、私も日本酒へと杯を進める。テンションが上がってきて2人でメニューにある「季節の日本酒」数種を楽しむ。
来福。
花見口万(はなみろまん)。
賀茂金秀(かもきんしゅう)。
遊歩。
日本酒は一号ではなく、片口もしくはグラスで120CCなので、たくさん種類が飲めるののがうれしい。ちょい飲みできる70CCもあるが、この日はとりあえず全て120CCで。
つまみは、焼き味噌と釜揚げしらすに続き、あまだいの干物と、いぶりがっこを。そうそう、てんぷらも食べたっけ。
「遊歩」という石川県のお酒が、とくに気に入ったので、おかわりして、満足。
オジサンスタイルで、しめに、けんちん汁のつけうどんを半分していただく。もちろんうどんもコシがあって絶品だ。
薬味がたっぷりでうれしい!プルプルのうどんと、日本酒、幸せ!お酒好きの女ともだちと過ごす時間、幸せ!
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鎌倉彫り教室でどんなものを作っているか
約1年前にはじめた鎌倉彫り。サボりながら、地味に続けている。
通っているのは鎌倉駅から徒歩3分くらいの教室「鎌陽堂(けんようどう)」。
体験で2つ作って、から本格的な彫刻刀も買った。2万円以上したけど、プロ仕様だ!何十年も使えるとか。
作品作りは1年でどんなふうに進んだかというと……。
1日体験で作ったミニお盆。
2日間(2回)の体験で作ったお盆。
月謝で通うようになって作った。お盆。(今は漆に出している最中)
お盆ばっかりですが……、いまは大皿を彫っているところ。まだぺーぺーだけど、絵柄が細かくなってきたり、複雑なカーブがあったりと、地味にだんだん難しくなっている。なので、今やっている大皿が1番難しく、進捗がイマイチ。
今はまだ、初心者レベルで、用意されたものを彫ってきたのだけど、この大皿が終わったら好きなものや柄を選べる段階になるらしい。
友人と何を彫りたいかーーぐい呑、とか、インテリアになるようなティッシュケースとかもいいよね、でも立体的なものは難しいのか、などなどーー夢を膨らませている。
ちなみに、最初は月に2回通っていたのだが、忙しかったり、ダルかったりで、あまり行けない月もあったので、今は基本的には月に1回。本当は家で彫っても良いのだが、意外とやらない可能性が高いとみて、わたしは教室でだけだ。
もしも余裕が出てきたら、また2回行こうかな。とは思っている。
サボっていても、怒られることはなく、
「まぁ趣味の習いごとですからね。あんまり言ってもね、楽しくやってもらわないといけないしね」
と、先生。
ありがとうございます、先生。
これくらいのスタンスでできたほうが、いろんなことが続くのかもしれない。
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コスパ最高でまったり呑める。鎌倉の駅近・老舗食堂
若宮大路の出入り口
鎌倉でお気に入りのお店のひとつが、「あさくさ食堂」。
創業は大正13年創業、地元では知らない人はいないだろう昔ながらの食堂だ。
看板メニューはロースかつ、しらす丼など。外観からして昔なつかしの食堂といった趣でけっこうツボ。そして、店内も、内装はもちろん、懐かしいおもちゃや模型、ポスターなどが飾られていて、昭和のムードたっぷりだ。タイムスリップしたような気になる。
この店、料理が美味しいだけでなく、お酒を飲みたい人にとってもコスパが良い。特に「ちょい呑セット」というお得なシステムがあり、単品料理やお酒も、観光地にしてはリーズナブルなのだ。
鎌倉で安く飲める店って、立ち飲みスタイルが多いみたいだけど、ちゃんとテーブル席に座れるし、店内はそこそこの広さはあり、夜は激混みといったこともなく、ゆっくりできるのもすてき。
もしからしたら昼間は比較的混んでいるかもしれないが。夜は常連さんらしきオジサン数人組とか、若い人たち2人組とか、ひとりで来る人、などがちらほら。といった感じで、お客としてはなんとなく落ち着く客の入り具合。やたらと居心地がよくて時間を忘れられる空間なんだな。
というわけで、今のところ昼間は行ったことがなく、もっぱら飲み目的! おもに鎌倉での習い事(鎌倉彫)を17時頃に終えて、その後に立ち寄っている。
お店では、主人と思われる威勢のいいフジワラさんが迎えてくれることが多い。おすすめメニューや食べ方を教えてくれるのはもちろん、ある日、お店のメニューにある九州屋久島のプレミア芋焼酎「三岳」をえらく気に入っていたオジサンとも、「この料理は、三岳にすごく合うと思うよ」なんてさりげない会話がけっこうすてきだった。
そんな会話を聞いて、わたしもこの日は「三岳」を。たしかにおいしかった。
飲み目的で「あさくさ」にきたら、まずは、「ちょい呑みセット」を。
手書きでおすすめが(※料理のメニューは日によって変わります。写真は冬に行ったときのもの)
これは、ドリンク一杯と10品の料理の中から、2品選んで、800円もしくは870円というお得なセットだ。
800円……生ビールグラス/いいちこ/酎ハイ/烏龍ハイ/緑茶ハイ(S)
870円……生ビール中ジョッキ/日本酒1合/焼酎各種、酎ハイ/烏龍ハイ、緑茶ハイ(W)生絞りレモン酎ハイ/自家製青梅の甘露煮入り酎ハイ、ハイボール(S)
料理は、日替わりのものもあるけど、若鶏のやわらか唐揚げ、本日の魚料理、日替わり鎌倉野菜のマリネ、めんたい豆腐、ポテトサラダ、釜揚げしらす……など。
友だちと2人で来ることが多いのだけど、そうすると料理4品とドリンクを楽しめて、ひとり900円もかからなくて、超お得。
個人的に、このちょい呑みセットのメニューにもある、このお店で絶対頼んでほしいのが、唐揚げ。揚げ物ってそんなに好んで食べないんだけど、ここのは必ず頼んでしまうほどツボ。外はこんがりでぱりっとしているのに、中はジューシーで柔らかい、味付けも濃すぎず、にんにくの風味がきいていてシンプルなおいしいさ。一見どこにでもあるおいしい唐揚げ、の気もするんだけど無性に食べたくなる味。なによりビールにぴったりだし。
鎌倉のビール大仏ビールとラガービールをハーフ&ハーフで
その他の料理もすべておいしい。古めかしい外観からしてあまり料理のクオリティなどを気にしなかったせいもあるが、出てくるもの出てくるもの全部おいしくて、1番最初にきたときは、けっこう興奮した。
しかも、見た目は家庭料理っぽくて「わ〜!おいしそう!」てならない品も多いのだけど、そのギャップがまたおいしさを引き立てているのかもしれない。
ちょい呑セットは、来店時おひとりさま1回限りなので、次は単品を頼む。定食やラーメン、カレーライス、しらす丼などのご飯系はもちろん、麻婆豆腐、餃子、しらすのピザ、とかお酒のお供にぴったりのものも。
カレーライス ハーフ
ちなみに今までたべたのは、「麻婆豆腐、餃子、しらすのピザ、カレーライス」は全部激ウマだった。とくに、辛さが選べる麻婆豆腐は、辛めを頼んで、はふはふしながら「辛いー」「でもおいしいー!」って言いながら食べるのが、呑み友との定番シュチュエーション!これも来たら絶対頼む一品だ。
麻婆豆腐
お酒の種類も、チューハイ、地ビール、ワイン、日本酒や焼酎は何種類かおいてあるのもうれしい。
料理もお酒もだいたい400円〜500円くらいからからかな。すみせん、ちょっとメモってくるの忘れました。
お会計は、飲兵衛ふたりで、夕方から、閉店までお腹いっぱい食べて、飲んで、6,000円前後(同じ友人とちょっといい店いくとだいたい倍くらいかかることも)かな。
営業時間は、朝の6時から夜20時。朝からやっているので、夜は少し閉まるのが早いのだけど、20時前に入店していれば、21時くらいまでいても大丈夫だ。そうそう、鎌倉駅の東口を出て徒歩1分くらいなのも便利。
東急前の出入り口
コスパ重視、だけど絶対おいしいものが食べたい、という人にはぜひ一度足を運んでほしい店だ。でも古めかし度はかなりレベルが高いので、きれいな店じゃないと無理!という女子にはあまりオススメできないかもしれない。
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★あさくさ食堂
住所:神奈川県鎌倉市小町1-4-13
TEL:0467-22-0660
1,500円で鎌倉彫1日体験教室へ行ってきた
ずーっとはじめたいと思っていたことのひとつ、鎌倉彫。
鎌倉彫とは、鎌倉に伝わる工芸品。木工に模様を彫って、漆を重ねたものです。漆と木なので、軽くて丈夫。神奈川に住んでいる人はけっこう馴染みがあるんじゃないでしょうか。地元の子に話すときは説明不要だけど、それ以外の人と話すと「かまくらぼりって何?」と言われてめずらしく自分が神奈川出身なんだと自覚。
さっそく、鎌倉から1分の鎌倉彫り教室「鎌陽堂(けんようどう)」へ。こちらの1日体験コースに行きました。1,500円の、ほとんど材料費だけで1日で小さなお盆がつくれます~。
まずは、柄を選んで、トレースします。
絵柄の周りを彫ります。
中も彫ります。
こちらは一緒に行った友達。
全部彫ったところです。
もちろん、それぞれの工程で先生がやさしく教えてくれます。完成まで4時間くらいだったかな。ミニサイズのお盆なので。
写真だとわかりづらいけど、お盆の底も丸刀で全部浅めに彫っています。すべての面に彫刻刀を入れて、漆をぬったときの味わいを出すようにするのが、鎌倉彫りの特徴のひとつだそうです。
そして、漆塗りは、なんと28工程もあって、できあがりまでに、3、4か月かかるそう! 塗りに出すのは実費ですが、もちろん出しました! できあがりが楽しみ。
ちなみに漆は時価なので、そのときによって微妙に価格がちがとのことで、それも初めて知りました。
それにしても、久々に、あたまを「無」にして、作業に熱中できて本当に楽しかった。もの作りへの情熱もムクムク。
今回は1日体験コースでしたが、次は、通常サイズのお盆を彫るコースが、こちらも材料費の実費と思われる2,000円で習えるとのことで、また通うことにしました。それが終わると、月2回で月謝5,000円プラス材料費別途で通うことができます。
1日体験だったけどすでに通う気満々。楽しいし、目的があれば絶対好きな鎌倉にも定期的に足を運べるし。たまたま誘った友だちもなんだか乗り気になってくれた。
教室にいたおばあちゃんたちに、「若いのにえらいね~」って褒められたし!
次回が楽しみです。
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